中国旅行記
実は3月上旬に中国へヘレボルス・チベタヌス(クリスマスローズ)見学ツアーに同行した(企画して仲間を募った)。その後報告も一部ご紹介。
19世紀にアルマンダビット宣教師がチベタヌスを発見して発表してから長年謎に包まれていた種であったが、やっと我々一般人にも手の届く花になりつつある。が、その実態を詳しく紹介している人は少ない。
自生地の環境からすると、日本の福寿草に近いが、生育期には非常に水を欲しがる植物のようである。根の量に対して、地上部の生育が旺盛なことからもうかがえる。おそらく今ちまたで売られている輸入品ははっきりいって購入しても、育たないだろう。成長期には雪解け水が常に流れ水分は豊富、標高1600mで年間をと通して涼しい。こんな素晴らしい環境のものが過酷な日本で育つはずがない。種子から日本の環境に合わせて育てるしかないだろう。もしくは”ヨシノ”のような雑種強勢が創られないと、育てるのは本当に難しい。
写真を数枚紹介します。
案内、同行してくださった、我らが師匠、森和夫先生と僕の恩師ジョン。2匹のパンダが出たー!なんて口が裂けても言ってはいけませんが、このお二方良いコンビ!
実は彼が”行きたい”との鶴の一声で始まったこの企画。通訳兼で参加した。実はこの場所2回目。ガビ山麓にて満開のヘパチカ・ヤマツタイ(雪割草)をバックに!
信じられない!崖に張り付いた、満開のプリムラ・シネンシス(雲南サクラソウ)。
日本では白花タイプが多く流通しているが、基本はピンクである。白花は稀。はっきりいって出来すぎているくらいきれい・・・。品種改良の余地なし!
ヘレボルス・チベタヌス
やっと満開のチベタヌスに会えた・・・・・涙。
これ以上ないという素晴らしいタイミング、のびのびした株姿、みずみずしい透明感があり清楚な花。そして和紙のようで、やさしい淡いピンクの花。
プリムラ・ムーピエンシスとチベタヌス
苔むした湿度満点な場所にはいつくばるように根を伸ばし、ワザビ田のよう
表土は15cmあるかないかくらい。
近くの人家で初めてのチベタヌスを発見して満面の笑みを見せる、山形のクリスマスローズ育種家・樋口先輩。花を見る純粋な目、心洗われます。
同行してくれた高橋プランツさん、ジョン、自分。
チベタヌスが生えている環境をご紹介。岩盤、岩場の上に低木が生え、落ち葉の積もった場所を好んで生息している。薄暗い感じ。夏になるとクサソテツや、ブタクサ、アシサイ、バラ科のものなどが1.5m位の高さまで茂り、覆いかぶさるような状態になるようだ。
おそらく夏の休眠期もある程度の湿気は保たれている状況と考える。栽培のポイントにつながる発見が多くあった。
夏に先生が訪ねてみるとのこと。また話を聞きたい。
それとは別に、この土地の地権者とも会うことができた。地権者ははっきりいってチベタヌスには興味がない。むしろチベタヌスを掘って薬用になるからという理由でホウノキを植えている。それらが成長した時には恐ろしい・・・・。先生はここを保護したいという意思を伝え、その活動も始める予定。また森先生の植物に対する思いやり、チベタヌスを見るやさしい目を見た。
それにしても、何度見ても飽きない、この誇るべき素晴らしいアジアのクリスマスローズ。この魅力は果てしない。素晴らしい環境を守るため、僕も出来る限りの協力をいろいろな形でしたいと思う。
日々のクリスマスローズの厳しい市場競争、趣味者、メディアからの要求に追われているような気分に勝手になり、内にこもり気味だった自分。焦ることない、ゆっくりいかなくては。生きていくには経済的にお金は必要であるが、それ以上に植物に触れることのできる楽しみ、もっと喜びを感じタイと思う。
そして同行してくれた方々のように、心から花が好きという、花好きの輪を広げたい。花を楽しむには、人とのつながりを大切にすることは不可欠。多くの人と喜びを共有し、、思いやりを持ちながら、つながりを深めていきたい。
クリスマスローズシーズン終盤、忙しくて出発の数時間前に荷物を詰めてあわてて家を飛び出して数日。
山の中でゆっくりした時間、空気が流れる。
毎晩、師匠ジョンと同じ部屋でいろいろなことを語りあったが、何よりも大切にしていることを改めてこの旅で教えられた。
親愛なる皆さんこれからもよろしくお願いします。
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